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天体写真画像処理の正しい手順
ここでは天体写真の画像処理のうちダーク減算やフラット補正などの”下処理”の適切なやり方について説明します.
今回のポイント
- クオリティの高い天体写真を撮影するには,ライトフレームの他に,バイアスフレーム,ダークフレーム,ダークフラットフレーム,フラットフレームを撮影し,それらを適切に処理する必要がある.
- バイアス減算,ダーク減算,ダークフラット減算,フラット補正はカラー現像前のRAWファイルに対して行う必要がある.
天体写真撮影のワークフロー
天体写真撮影のワークフローを簡単な図に書きました.
簡単に用語の説明
各ライトフレームというのは天体を撮影した一枚画像のことです.
バイアスフレーム,ダークフレーム,ダークフラットフレーム,フラットフレームの各種フレームはそれぞれバイアス,ダーク,ダークフラット,フラットを撮影した一枚画像の事です.冷却CCDではなくデジカメの方はバイアスフレームを撮影出来ないことが多いと思うので,その場合はバイアスフレーム,マスターバイアスは無しで画像処理を行ってください.
それぞれのフレームにコンポジットや減算を施し,マスターバイアス,マスターダーク,マスターダークフラット,マスターフラットを作ります.
最後に各ライトフレームから各種マスター画像の減算や除算を行い,下処理の完了した各ライトフレームが完成します.
注意して欲しいのは,この図中の画像処理は全てカラー現像前のRAWファイルに対して行ってください.
(マスターフラットでの除算はカラー現像後に行っても結果にはあまり影響しない場合がありますが,それ以外の処理は必ず現像前のRAWファイルに対して行ってください)
さて,図中の処理が完了すると下処理後画像が得られるわけですが,この下処理後画像を天体写真にするにはこの後さらに
(デジカメ/カラーCCDの方):カラー現像 → 位置合わせしてコンポジット
(モノクロCCDの方):各L, R, G, Bを位置合わせしてコンポジット → LRGB合成
という処理が必要になります.
天体写真の画像処理の下処理の流れが大まかに分かったかと思います.
クオリティの高い天体写真を作るためには下処理の部分を適切に行うことが大事です.
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