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ダーク減算は必ずRAWファイルに対して行う

天体写真撮影で非常に大事なポイントであるダーク減算.
ダーク減算はRAWファイルに対して行わなければ意味がないことを説明します.
カラー現像後ではダーク減算の意味はないのです.

今回のポイント

  • ダーク減算は必ずRAWファイルに対して行う(カラー現像後ではダメ)

ダーク減算はRAWファイルに対して行う

画像処理の正しい手順」でも書きましたが,ダーク減算はRAWファイルに対して行わなければ意味がありません.

天体写真画像処理の正しい手順

ここでは天体写真の画像処理のうちダーク減算やフラット補正などの”下処理”の適切なやり方について説明します.今回のポイント クオリティの高い天体写真を撮影するには,ライトフレームの他に,バイアスフレーム,ダークフレーム,ダークフラットフレーム,フラットフレームを撮影し,それらを適切に処理する必要がある. バイアス減算,ダーク減算,ダークフラット減算,フラット補正はカラー現像前のRAWファイルに対して行う必要がある.天体写真撮影のワークフロー天体写真撮影のワークフローを簡単な図に書きました.簡単に用語...

各ダークフレームをRAWファイルのままコンポジットしマスターダークを作成し,そのマスターダークをRAWライトフレームから減算するのが正しいやり方です.

よくある間違い

×ダーク減算をカラー現像後に行ってしまった
○ダーク減算はRAWファイルに対して行ってください

デジタルカメラではカラー現像をする際にCCD/CMOSの各ピクセルの情報が混ざってしまいます.
そのためカラー現像後にダーク減算を行うと,CCD/CMOSの各ピクセルの特性を正確に反映出来ず,無意味なダーク減算になってしまいます.

ダーク減算に限らず,バイアス減算,ダークフラット減算,フラット補正もRAWファイルに対して行わなくてはいけません.
(フラット補正に関してはモノクロCCDではなくデジカメの場合,カラー現像後に行ったとしてもさほど悪影響はありませんが...)

カラー現像後にダーク減算を行うとどうなるか?

次の画像はRAWファイル上でダーク減算した場合とカラー現像後にダーク減算した場合での結果の比較です.
RAWファイル上でダーク減算した場合は丸内の青いホットピクセルが消えていますが,
カラー現像後にダーク減算した場合は同じホットピクセルが消えきっていません.
(クリックで画像拡大)

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次の画像もカラー現像後にダーク減算した場合の例です.
丸内にホットピクセルが残っているのが分かると思います.
(クリックで拡大)
m13%e7%94%bb%e5%83%8f%e5%87%a6%e7%90%86%e5%be%8c(これは各ライトフレームをカラー現像後にダーク減算し,それらを天体の位置合わせの後にコンポジットしたものです.
そのため1つのホットピクセルのコピーが近くの位置に沢山写っています.)

つまり,ダーク減算は必ずカラー現像前のRAWファイル上で行ってください.そうしなければホットピクセルが消えません.


正しくダーク減算を行ってきれいにホットピクセルを除去しましょう.